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ネットワークの文書

国際フェアトレードタウン会議(IFTTC)— 第1回から第19回までの開催記録

自治体・大学
国際フェアトレードタウン運動
発出主体
Fair Trade Towns International(国際フェアトレードタウン運動)
原文
Fair Trade Towns International のページで読む ↗
収録
要旨(取得日 2026年9月15日)

国際フェアトレードタウン会議(The International Fair Trade Towns Conference, IFTTC)は、世界各国のフェアトレードタウン運動に関わる人々が集まる年次の国際会議である。2006年のロンドンを第1回として、2026年のベルギーで第19回を数える。本項では、公開情報で確認できた各回の開催年・開催地・テーマを一覧にし、運動の重心がどう移ってきたかを整理する。

この会議の位置づけ

フェアトレードタウン運動は、2000年から2001年にかけてイギリス・ランカシャー州ガースタングが世界で最初のフェアトレードタウンを宣言したことに始まる。その5年後の2006年11月、ロンドンで最初の国際会議が開かれた。当初は欧州の担い手が情報を交換する場だったが、回を重ねるにつれて国際運動の意思決定の場としての性格を強めている。

第6回ポズナン(2012年)は国際フェアトレードタウン運営委員会(International Fair Trade Towns Steering Committee)の設立につながった。また、会議の最終日に翌年の開催地を発表・決定するのが慣例となっており、第7回オスロ(2013年)で第8回の開催地として熊本が決まっている。近年は国連機関との接点も生まれ、第12回マドリード(2018年)ではフェアトレード・アドボカシー・オフィス(FTAO)と国連貿易開発会議(UNCTAD)が覚書を締結した。

開催回の一覧

回開催日開催都市国テーマ・スローガン備考
第1回2006年11月20〜21日ロンドンイギリス(確認できず)初回。当時は「ヨーロッパ会議」の呼称もある
第2回2008年1月25〜26日ブリュッセルベルギー(確認できず)2007年は開催なし
第3回2009年2月6〜7日リヨンフランスLessons learnt & best practice / Fairtrade Towns in the future「南のフェアトレードタウン」構想を本格的に議論
第4回2010年11月5〜6日ボンドイツ(確認できず)会期中にボン市がフェアトレードシティを宣言。「第6の基準」のセッションあり
第5回2011年11月18〜20日マルメスウェーデンBeyond 1,000 Fair Trade Towns(1,000のフェアトレードタウンを超えて)200名超が参加。Rio+20に向けた声明を採択
第6回2012年11月10〜11日ポズナンポーランド(確認できず)25か国130名。国際運営委員会(IFTTSC)設立の契機
第7回2013年9月28〜29日オスロノルウェー(確認できず)26か国が参加。次回開催地に熊本を決定
第8回2014年3月28〜30日熊本市日本南北における公正かつ地域社会経済の構築(Building Fair and Local Socio-Economies in the South and the North)初のヨーロッパ域外・アジア開催。約300名(うち海外57名)
第9回2015年7月4〜5日ブリストルイギリスFair Trade for Sustainability(持続可能性のためのフェアトレード)20か国240名。ブリストル決議を採択
第10回2016年7月2〜3日バスキンタレバノンBuilding Bridges through Fair Trade(フェアトレードで橋を架ける)初のグローバルサウス開催
第11回2017年9月15〜17日ザールブリュッケンほかドイツ(越境)Fair Trade across the Generations(世代を超えたフェアトレード)メス(仏)・ルクセンブルク・トリーア(独)との越境開催
第12回2018年10月19〜21日マドリードスペイン(確認できず)FTAOとUNCTADが覚書を締結。34か国2,053タウンという数字が示された
第13回2019年10月18〜20日カーディフイギリス(ウェールズ)The Future of Fair Trade(フェアトレードの未来)世界初のフェアトレード・ネイションでの開催
第14回2021年11月18〜20日オンライン(主催:スイス)―Strengthen fair consumption in cities. Empowering farmers and producers in a build back fairer time2020年キト開催を延期し、Swiss Fair Trade主催のオンライン開催に
第15回2022年10月21〜23日キトエクアドルFair Trade, in Sustainable Cities Construction(持続可能な都市の構築におけるフェアトレード)初の中南米開催。ハイブリッド
第16回2023年9月22〜24日グラールス・ノルトスイスLocal Action, Global Impact(ローカルな行動、グローバルなインパクト)25か国超・150名以上。開会はリヒテンシュタイン・ファドゥーツ
第17回2024年9月20〜22日ドラケンスタイン(パール/ウェリントン)南アフリカCultivating Equitable Economies(公正な経済を育てる)初のアフリカ開催。WFTO国際サミットと連続開催
第18回2025年8月30〜31日(29日レセプション)エディンバライギリス(スコットランド)Your Town, Our World — Fair Trade Communities & Local Action to achieve the Sustainable Development Goals世界で2番目のフェアトレード・ネイション
第19回2026年10月9〜11日ブリュッセル(ナミュール・ヘント訪問)ベルギーLocal Change for a Global Future(会議公式サイト)/From Local Action to Global Revolution(運動公式サイト)開催予定。最終日に第20回のホストを発表予定

※ 2007年は開催されていない(第1回2006年11月 → 第2回2008年1月)。2020年はエクアドル・キトで開催予定だったが、COVID-19により延期され、2021年にオンラインで第14回が開かれた。キトでの対面開催は2022年の第15回として実現している。

一覧から読み取れること

第一に、開催地が欧州から外へ広がってきた。第1回から第7回(2006〜2013年)はすべて欧州での開催である。第8回の熊本(2014年)が初めてヨーロッパ域外で開かれた回であり、その後、第10回レバノン・バスキンタ(2016年)が初のグローバルサウス開催、第15回エクアドル・キト(2022年)が初の中南米開催、第17回南アフリカ・ドラケンスタイン(2024年)が初のアフリカ開催となった。生産国側での開催が続いている点は、消費国の運動として始まった経緯を踏まえると大きな変化である。

第二に、テーマの重心が「数を増やすこと」から「何に効かせるか」へ移っている。第5回マルメ(2011年)の「1,000のフェアトレードタウンを超えて」は認定数の拡大を掲げていたが、第9回ブリストル(2015年)は持続可能性、第16回グラールス(2023年)はローカルな行動とグローバルな影響、第18回エディンバラ(2025年)は持続可能な開発目標の達成を掲げている。

第三に、会議が成果文書を残すようになった。第5回マルメでRio+20に向けた声明が採択され、第9回ブリストルでは「ブリストル決議(The Bristol Resolution)」がブリストル市長とレバノンの2市長の署名により採択された。同決議は、同年9月に採択される予定だったSDGsの達成にフェアトレードで寄与することを約束するものである。

第四に、生産国側の組織が運動の担い手として加わった。第9回ブリストルでは、中南米・カリブの生産者ネットワークCLACとWFTOラテンアメリカが、生産国におけるフェアトレードタウン/ビレッジのキャンペーンを立ち上げると発表している。

日本が主催した第8回(2014年・熊本市)

第8回は2014年3月28日から30日まで、熊本市国際交流会館で開かれた。主催はフェアトレードシティくまもと推進委員会と一般社団法人フェアトレードタウン・ジャパン、共催は熊本市である。テーマは「南北における公正かつ地域社会経済の構築(Building Fair and Local Socio-Economies in the South and the North)」。

参加者は約300名で、当初の目標200名を上回った。うち海外からの参加者は57名である。開催地の熊本市は、2011年6月4日に日本初かつアジア初のフェアトレードシティに認定されている。

公式報告は成果として、国際ネットワークの強化、日本国内での運動の活性化、アジア地域への拡大の促進、南北の連携と「ビッグテント」アプローチの発展を挙げている。日本の認定基準がもつ「地域社会の活性化に貢献すること」という基準が国際的に紹介された回でもある。ただしこの「第6の基準」は日本固有のものではなく、第4回ボン(2010年)のプログラムにすでに “Sixth criterium” のセッションがあり、ベルギーでも国内の第6基準が運用されている。日本の第6基準を説明する際には、この国際的な文脈を併せて示す必要がある。

なお、参加国数と、成果文書(宣言・決議)が採択されたかどうかは、公開情報からは確認できなかった。熊本市の公式サイトの「フェアトレードシティくまもと」のページにも、2014年の国際会議についての記述は見当たらない(2026年9月15日時点)。

この資料を使うときの注意

  • 本一覧の回数は、各年の開催主催者および国際運動の公式サイトが用いた表記に従っている。回数の数え方について国際的に統一された規程は確認できていないため、FTRCでは独自に数え直すことをせず、その年の主催者資料の表記を採用する方針をとっている。2022年エクアドル・キトの会議を第15回とするのは、開催地キト市・CLAC・Fair Trade Wales の表記に沿ったものである。
  • 2020年に予定されていたキト開催は、COVID-19のため延期された。第14回は2021年のオンライン開催(Swiss Fair Trade 主催)となり、キトでの対面開催は2022年の第15回にあたる。年と回数が1対1に対応しない箇所があるのはこのためである。
  • 回数の数え方に揺れがある。2006年ロンドンの会議を、国際運動の公式サイトは「第1回国際フェアトレードタウン会議」と数えるが、当時は「ヨーロッパ・フェアトレードタウンズ会議」と称されたとする記述もある。後から遡って数え直された可能性があるが、確認できなかった。
  • 第19回(2026年)のテーマは出典によって異なる。会議公式サイトは “Local Change for a Global Future”、国際運動の公式サイトは “From Local Action to Global Revolution” と記している。引用の際はどちらの出典によるかを明示する。
  • 第1回・第2回・第3回・第4回・第6回・第7回・第12回のテーマは確認できなかった。また、第1回・第3回・第4回・第5回・第9回・第10回・第12回・第15回については、「主催」と明記した一次情報が見つからなかった。
  • 参加者数は「見込み」と「実績」が混在している。第16回は見込み最大200名に対し実績が25か国超・150名以上、第17回は招請400名超に対し登録時点で23か国・80名超であり、実績は確認できなかった。一覧の数字を引用するときは、見込みか実績かを確かめる。
  • 旧公式サイト(fairtradetowns.org)は現在アクセスできない。本一覧は現行サイト fairtradetowns.net の会議アーカイブを軸に、開催地側の公式サイトで裏を取っている。旧サイトの記述との差異は照合できていない。
  • 第20回(2027年)の開催地は未定である。第19回の閉会時(2026年10月11日)に発表される予定。

参照した公開情報