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基準・ゴール

ドイツ — Fairtrade-Towns の5つの基準と人口規模別の要件

自治体・大学
ドイツ
発出主体
Fairtrade Deutschland e.V.
原文
Fairtrade Deutschland e.V. のページで読む ↗
収録
抜粋(取得日 2026年9月15日)

ドイツの Fairtrade-Towns は、5つの基準(Kriterien)を証拠書類で立証して認定を受け、2年ごとに更新する制度である。運営は Fairtrade Deutschland e.V.。2026年9月15日時点の公表値で、タウン943、スクール1,050、大学53。市や郡のほか、州の単位でも認定が行われている。

制度の概要

  • キャンペーン名:Fairtrade-Towns(称号は Fairtrade-Town/Fairtrade-Stadt、郡は Fairtrade-Landkreis)
  • 運営団体:Fairtrade Deutschland e.V.(ケルン)
  • 参加費用:無料
  • 申請できる主体:市、独立市、市区、自治体、広域自治体連合、郡、地域、島、州(Bundesland)。2025年11月7日にザールラント州がドイツ初のフェアトレード州になった。
  • 基準の性格:「最低基準(Mindestkriterien)」であり、上乗せの取り組みは歓迎される。

«Für die Auszeichnung zur Fairtrade-Town muss eine Kommune nachweislich fünf Kriterien erfüllen»

参考訳:フェアトレード・タウンの認定を受けるには、自治体は5つの基準を、証拠をもって充足しなければならない。

5つの基準(原文と参考訳)

基準1:議会決議(Ratsbeschluss)

«Die Kommune verabschiedet einen Ratsbeschluss zur Unterstützung des fairen Handels. Bei allen Sitzungen des Rates und der Ausschüsse sowie im (Ober-)Bürgermeister*innenbüro wird fair gehandelter Kaffee und ein weiteres Produkt aus fairem Handel ausgeschenkt.»

参考訳:自治体は、フェアトレードを支援する議会決議を可決する。議会および各委員会のすべての会議、ならびに(上級)市長室において、フェアトレードのコーヒーおよびフェアトレード産品をもう1品目、提供する。

立証:申請書に決議日を記載し、決議の認証謄本を添付する。会議で飲食提供を行わない自治体は、その旨を決議に明記したうえで、市の行事・贈答用バスケット・装花などでのフェアトレード産品使用で補う。

基準2:運営グループ(Steuerungsgruppe)

«Eine Steuerungsgruppe wird gebildet… Diese Gruppe besteht aus mindestens drei Personen aus den Bereichen Zivilgesellschaft, Politik und Wirtschaft.»

参考訳:地域の活動を調整する運営グループを設置する。当該グループは、市民社会・政治・経済の3分野から、最低3名で構成される。

立証:全メンバーの氏名・所属機関・本人署名入りの名簿を添付し、各メンバーがどの分野を代表するか判別できるようにする。自治体側とグループ側の窓口担当者を各1名(別人を推奨)届け出る。会合は2〜3か月ごとの開催を推奨。

基準3:フェアトレード産品の品揃え(Fairtrade-Produkte im Sortiment)

«In den lokalen Einzelhandelsgeschäften und bei Floristen sowie in Cafés und Restaurants werden mindestens zwei verschiedene Produkte aus fairem Handel angeboten. Richtwert ist hier die Einwohnerzahl.»

参考訳:地域の小売店および花店、ならびにカフェ・レストランにおいて、少なくとも2種類の異なるフェアトレード産品が提供されている。ここでの基準値は人口である。

認められるのは Fairtrade 認証に限らない。WFTO の全会員、ヴェルトラーデン憲章に適合する供給業者、Forum Fairer Handel が承認する管理システムも認められる。ただし繊維分野のみ Fairtrade 基準に限定される。

基準4:市民社会(Zivilgesellschaft)

«Öffentliche Einrichtungen wie Schulen, Vereine und Kirchen-/Glaubensgemeinden setzen Informations- und Bildungsaktivitäten zu fairen Handel um und bieten Produkte aus fairem Handel an.»

参考訳:学校・団体・教会/信仰共同体といった公共的機関が、フェアトレードに関する情報提供・教育活動を実施し、フェアトレード産品を提供する。

人口20万人未満なら学校1・団体1・教会/信仰共同体1。人口20万人ごとに各1ずつ増える。担い手は年1回、フェアトレードに関する取り組みを実施する。

基準5:メディア・広報(Medien & Öffentlichkeitsarbeit)

«Die Steuerungsgruppe macht Öffentlichkeitsarbeit über die Aktivitäten zum Thema Fairtrade in der Kommune. Die lokalen Medien berichten über die Ereignisse vor Ort.»

参考訳:運営グループは、自治体内のフェアトレードに関する活動について広報を行う。地域メディアが現地の出来事を報道する。

地域メディアに年間最低4本の記事が掲載されること。紙媒体に限らず、オンライン記事や市の公式サイト上の記事も算入される。立証は記事のコピーを添付。人口にかかわらず一律4本である。

人口規模別に必要な店舗数

公式サイトは人口規模別の数値表を公表しておらず、サイトに設置されたオンライン計算機に人口を入力して算出する方式をとっている。下の表は、2026年9月15日にその公式計算機へ人口を入力して得られた出力をFTRCが採録・整理したもので、公式が公表した表ではない。

人口小売店・花店飲食店学校/団体/教会 各メディア記事
〜2,5001114
2,501〜5,0002114
5,001〜7,5003214
7,501〜20,0004214
20,001〜25,0005314
25,001〜30,0006314
30,001〜50,0005,000人ごとに +1(50,000人で10)小売店数の1/2(切上げ)14
50,001〜100,0005,000人ごとに +1(100,000人で20)小売店数の1/2(切上げ)14
100,001〜20 + 10,000人ごとに +1小売店数の1/2(切上げ)20万人ごとに +14

公式計算機の実際の出力例:人口10,000人 → 小売4・飲食2、人口10万人 → 小売20・飲食10、人口50万人 → 小売60・飲食30・学校等各3、人口100万人 → 小売110・飲食55・学校等各6。メディア記事は人口にかかわらず常に4本だった。

申請・有効期間・更新

  • 第1段階:登録。運営グループ設置後にオンライン登録。都市一覧に掲載され、専用URLが付与される。授与式までに登録は必須。
  • 第2段階:申請。5基準をすべて充足した時点で、申請書と全添付書類を郵送で提出。支援確認書と報道記事は申請到着日から遡って1年以内のものに限る。
  • 審査は Fairtrade Deutschland e.V. が行い、通常6〜8週間。通過後、記念式典で証書と称号が授与される。
  • 有効期間は2年。更新は四半期ごとに、他のタウンとまとめて行われる。
  • 更新はオンライン質問票で5基準の継続充足を答える方式で、初回申請時のような追加の証拠書類の提出は不要。全担い手の列挙も不要で、特に積極的な担い手を挙げれば足りる。報道記事も選抜でよい。
  • 運営側は、自前のプレスクリッピングと食品小売各社のフェアトレード商品取扱いリストを用いて更新審査を行うとしている。

※ 称号の取り消し(Aberkennung)に関する明文の規定は、参照した公式ページ上に見当たらなかった。

学校・大学の制度

  • Fairtrade-Schools(2012年開始・無料・全校種対象):5つの基準=校内チームの設置/フェアトレードに関する学校の計画(コンパス)の策定/校内での産品の販売と消費/最低2教科の授業で扱うこと/校内アクションの実施。有効期間2年。更新では、5基準の継続充足に加えて公式ブログへの投稿が審査対象になる。
  • Fairtrade-Universities(2014年開始・無料):5つの基準=大学としての決議/運営グループ/行事における産品/店舗・飲食における産品/メディア・広報。有効期間2年。

沿革

年出来事
2000国際的なキャンペーンがイギリスで始まる
2009ザールブリュッケンがドイツ初の Fairtrade-Town に
2012Fairtrade-Schools 開始
2013Faire Metropole Ruhr が世界初の Fairtrade-Region に
2014Fairtrade-Universities 開始
2017ニュルンベルク大都市圏が初の Fairtrade-Metropolregion に
2025年11月ザールラント州がドイツ初の Fairtrade-Bundesland(フェアトレード州)に(7日)

運用上の特徴

認定時には署名入りの名簿や決議の認証謄本といった証拠書類を求める一方、更新では追加の証拠を求めず、運営側が自前のプレスクリッピングと小売各社の商品取扱いリストで確認する設計になっている。

参照した公開情報